みちぱん書評録

しがない書店員・みちぱんによる超絶個人的見解の書評記録

黒澤いづみ「人間に向いてない」

人間に向いてない

 

ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。政府はこの病に罹患した者を法的に死亡したものとして扱い、人権の一切を適用外とすることを決めた。十代から二十代の若者、なかでも社会的に弱い立場の人たちばかりに発症する病が蔓延する日本で、異形の「虫」に変わり果てた息子を持つ一人の母親がいた。あなたの子どもが虫になったら。それでも子どもを愛せますか? メフィスト賞受賞作!

(「Amazon」内容紹介より)

 

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みちぱん

今回はこちら。
黒沢いづみさんの「人間に向いてない」です。

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ブンちゃん

聞いたことない作者だ。

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みちぱん

これがデビュー作なんですよ。
メフィスト賞です。

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ブンちゃん

「面白ければ何でもあり」のメフィスト賞か。
じゃあきっと面白いんだろうね。

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みちぱん

ゲラを読ませていただきましたが、
確かにとても面白かったです。
でもこれ、ただ「面白い」で終わらせては
いけない小説のような気がします。

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ブンちゃん

出た、問題提起型。

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みちぱん

結構サラッと読めてしまうんですけど
何日かはこの小説のことを考えましたね。
あらすじを見てSFものかな?と
思う人もいるかもしれませんが、
どちらかというと「家族もの」だと思います。

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ブンちゃん

いわゆる「社会的弱者」の立場にいる若者が
突如として「異形」になってしまう病気が
蔓延しているって設定だっけ?

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みちぱん

そうです。治療法など確立していないことから
発症した元・人間は死亡扱いになると。
親は殺処分か、そのまま暮らすか選択を迫られる。

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ブンちゃん

うへぇ…殺処分…。
でもそうかぁ…、大人になったのに働かないで
ただ親のお金で生きている子供を
お荷物だと思う親もいるってことだよね。

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みちぱん

親も人間ですからね…。
「無償の愛」って、けっこう難しいですよ。
しかも異形になった子供は、生理的に受け付けない
姿をしていることが多いみたいですから。

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ブンちゃん

たしか、物語でスポットライトが当たっている
家族の息子は虫になったんだっけ。

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みちぱん

中型犬くらいの大きさの虫ですね。
この家族は父親は息子の存在に否定的で
母親は息子を守ろうとするんですよね。
ただこの母親にも多少問題はあったんじゃないかと。

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ブンちゃん

「母親」やってる自分に酔ってる感はあるね。
「あなたのためを思って」とか
「どうしてわかってくれないの」とか。
親子っていっても所詮は他人なんだから
言わないと伝わらないし
聞いてくれないと絶望する。

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みちぱん

息子は息子で、もう「会話」することを
諦めてしまっていますからね。
異形変異性症候群を発症した子供と
その親は、対話が足りていなかった人が多く
あの病気はそういう「訴え」だったのでないか、
私はそう感じました。

 

 

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みちぱん

私はこんな感じでPOPを
つけて大展開しようと思ってます。
多くの人に読んでほしいなぁ。
そして最後の結末を見届けて欲しい。

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ブンちゃん

僕は早くも次回作が楽しみ。

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みちぱん

性別や年齢なども不明の
謎多き作者ですよね。

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ブンちゃん

でも女の人なんじゃないの?
名前的にも、作品の内容的にも。

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みちぱん

ブンちゃん…乾くるみ先生を
忘れたとは言わせませんよ。

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ブンちゃん

あっ………。

 

※気になった人は「乾くるみ」で調べてみてね☆