みちぱん書評録

しがない書店員・みちぱんによる超絶個人的見解の書評記録

西牟田靖「本で床は抜けるのか」

本で床は抜けるのか

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著:西牟田泰 版元:中央公論新社

大量の本を抱えて引っ越し、「床抜け」の不安に襲われた著者は、解決策を求めて取材を開始。井上ひさしや草森紳一らの事例を調べ、床が抜けてリフォームした人、蔵書をまとめて電子化や処分した人、私設図書館や書庫を造った人、等を訪ね歩き、「蔵書と生活」の快適な両立は可能かを探る。愛書家必読のノンフィクション。

(「BOOK」データベースより)

 

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みちぱん

今回はこちら。
西牟田靖さんの「本で床は抜けるのか」です。
単行本時代から知ってはいたのですが
文庫化されたのをきっかけに購入しました。

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ブンちゃん

分かってはいるけど、やっぱり
文庫の方が手に取ってもらいやすいよね。

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みちぱん

単行本よりスペース取りませんし、
価格も単行本に比べると安価ですからね…。
加えて、あとがきや解説が入っていたりしますし。

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ブンちゃん

単行本の良さって言ったら、
やっぱり装幀が豪華なことかな。

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みちぱん

そうですよね。
本好きからしたら、あれは高いお金を
払う価値あると思いますよ。

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ブンちゃん

最近はいきなり文庫で発売のものがあるし、
単行本→文庫のリスクを知らないお客さんも増えたよね。

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みちぱん

それには激しく同意です。
そもそも、ひと昔前は
単行本→ノベルス→文庫
という段階を踏んでいましたからね。

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ブンちゃん

あ、それは知らなかった。
ノベルスって新書サイズのやつだよね?

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みちぱん

それですね。ちなみに私も書店員になるまで
まったくもって知りませんでした(笑)
何が言いたいのかというと、文庫化されるのは
選ばれし一握りの本、ということです。
通常、文庫化されるまで2、3年時間置きますが、
その間売れ続けている本でないと
いくら待っても文庫にはなりません。

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ブンちゃん

じゃあ単行本でいいやって思ったときには
品切れ重版未定とかだったらオワタだよね。

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みちぱん

それはそれで「まぁいいか」となる人も
いそうですよね…というか何年も
待ち続けるくらいその作品が好きなら
単行本の時点で我慢できずに買いますよね(笑)

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ブンちゃん

それな。

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みちぱん

では今回紹介する本の話に戻しまして、
「床が抜けるかも」というのは蔵書家たちの間では
日頃から接している問題のようです。

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ブンちゃん

紙の本って結構重いもんね。
数千冊、数万冊あったら本当に床抜けそう。

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みちぱん

本当に抜けた例もあるみたいですが、
古い木造家屋の2階だったり、
床の踏み場もない、天井まで積みあがっている、
そんな条件が重ならないと派手には抜けないようです。

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ブンちゃん

地味に抜けるってあるの?笑

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みちぱん

床が湾曲したり、建物が傾いたり、ですかね。

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ブンちゃん

それは崩壊の序曲だな。

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みちぱん

この本では「どうすれば大量の蔵書と向き合えるか」
という問題提起が度々出てくるのですが…。

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ブンちゃん

まぁ、それを考える本だからね。

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みちぱん

建築家の方に聞いたり、実際に床抜けした方に
インタビューをしたりして、その中で
鉄筋コンクリートだったら大丈夫とか
バラけて置けば大丈夫、壁際に置けば…
いや逆に壁際はまずい…とか色々と出てきまして。

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ブンちゃん

置き方の問題か…。
でもそれって根本的な解決にならないよね。

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みちぱん

まさにその通り。置き方を工夫したところで、
本を買い続ければいつかは本棚から溢れ、
床に溢れ、居住スペースを侵蝕していくわけです。
そこで考えてみました。

 

1.読んだら捨てるor売る

2.電子書籍を買う

3.自宅とは別に書庫を建てる

 

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みちぱん

紙の本は読みたいけれど、生活を圧迫するほど
本を貯め込みたいわけじゃない。再読もしない。
という方は心を鬼にして1を。
資料として買っているから再読するかもしれないし、
読んだ本は把握しておきたい。電子書籍にも抵抗ない。
そんな方は2を。今は様々な媒体があります。
本というかもう紙そのものが愛おしいから
お別れするなんて絶対無理。お金もたくさんある。
そんな方は3を。ぜひ図書館を作ってください。

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ブンちゃん

なるほど。
だいたいこの3択で対応できそうだね。
何を妥協するか、って感じ?

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みちぱん

本当に大事なものを選ぶことですよね。
内容が重要なのか、存在が重要なのか。

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ブンちゃん

この本は、床抜け対策についてというより
大量の蔵書を「どうすればいいんだ…」と著者と一緒に
モヤモヤ考える、という本だね(笑)

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みちぱん

そんな感じでした(笑)
西牟田さんが書庫を建てられるように、
この本が売れることを願いましょう…。